2011年12月28日
「Flowers & Powerlight Tour 2011 ~born-again~」
当時の最新作『After The Apples』は未視聴で本作を観た。
1曲目「Born」から新曲で、バックにモダンダンスの映像が流れる。これまでにない新鮮な始まり。新曲「無音dB」「Next Innovation」はアップテンポな割に、今一つ乗り切れず、ただ画面を眺める。
これまでの吉井和哉のソロライブとは違うアティチュードを感じる。客席と一丸になるようなシンガロングは控えめで、吉井和哉の世界観を観ろ、そして耽ろ、というようなセットリストと演奏だな。演劇を観るような感覚がある。『After The Apples』は打ち込みも使って吉井和哉1人でレコーディングしたようだからそのアルバム中心のセトリとなると、バンドというより吉井和哉の”舞台”みたいなライブになるのかもしれない。
演劇性が高いと思ったのは『After The Apples』の曲達が内省的であるのと、コンセプトアルバムであるイエモン3rdから2曲「FINE FINE FINE」「RED LIGHT」やっているのも大きい気がする。
その2曲を含む中盤の流れ「FINE FINE FINE」「母いすゞ」「ダビデ」「HATE」「クランベリー」「RED LIGHT」が本ライブの真骨頂だった。 「母いすゞ」は『VOLT』の「ノーパン」に続く吉井純文学の系譜かつ吉井流ヒップホップが面白いし、「ダビデ」はメロディラインも印象的で良かった。「RED LIGHT」で妖婉に舞い、その世界観に没入する吉井和哉が、個人的には本ライブのハイライト。ここだけ何回も観てしまった。
withダチョウ倶楽部の「マサユメ」が終わって「ビルマニア」のイントロをバーニーが弾き始めるんだけど、ほんと良い音出すなと改めて思う。ギター上手くて、出音が良くて、ハイトーンのコーラスができて、顔芸込みのパフォーマンスができて、茶目っ気もあるなんて素晴らしすぎだろ。
吉井和哉はこのツアーは最高でもっと続けたい的なことをMCで何度か言っていた。今表現したいことができるセトリなんだろう。『After The Apple』をもっと聞き込んでから本作を見返したいところだ。
(追記)『After The Apple』の音源を聞いてみたら、どの曲も結構良かった。「バスツアー」はライブだと、乗りにくいし、せっかくのダンスビートの無駄づかいではないか…、とか思ったんだけど、音源を聞くとギミック込みで伝えたい世界観がなんとなくわかった気がした。
- Born
- 無音dB
- VS
- Next Innovation
- 煩悩コントロール
- FINE FINE FINE
- 母いすゞ
- ダビデ
- HATE
- クランベリー
- RED LIGHT
- ALL BY LOVE
- バスツアー
- 嘆くなり我が夜のFantasy
- マサユメ
- ビルマニア
- LOVE & PEACE
- 星のブルース
- MUSIC
- FINAL COUNTDOWN
- FLOWER
収録:2011年12月28日 日本武道館