いそいそと1人部活

己を知る取り組みとしてのブログ

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サニーデイ・サービス『春の風(どついたるねんRemix) 』

私が知っているRemixの概念がぶち壊れた。

 


春の風(どついたるねんRemix) MV

 

 

 

 こちらが原曲です。


Sunny Day Service - 春の風【Official Video】

 

 

このremix集はかなり尖っていそう。聞きたい。

もっといいね!

もっといいね!

  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

SUGIZO『Dear LIFE』

 Dear LIFE

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脳内エンドレスリピート中

 

 

SUGIZOの2002年11月のシングルCD。

 

前作「Super Love」はリリース当時からお気に入りだったが、この「Dear LIFE」はピンとこなかった。この度、CDを手に入れたので久しぶりに聞いた。

 

曲・アレンジについて

リズムパターンは単調かつ、ドラムのフィルインもないため、一聴すると曲のメリハリがないように聞こえた。一方、ギターアレンジはSUGIZOサウンド全開でエモい。ワウペダルを駆使して弦をかき鳴らしたり、大サビではグリッサンドが唸ったり、雄弁な音像で感情を揺さぶってくる。なんとなくLUNA SEAっぽいギターアプローチ。

 

そして、1回聞いただけでメロディが脳内に残留する。SUGIZOらしいメロディラインだ。「Dear LIFE」の部分を中心にクセになり、聞いていない時も口ずさんでしまう。

 

単調に感じたリズムだったが、それが全体の雰囲気を落ち着けている。過剰な演習を抑える事で、リスナーがお腹いっぱいになる事がなく、飽きを生まずに繰り返し聴く事を可能にしている。ジワジワ好きになっていく。

 

歌詞について

そう、アイツは命を途中で全て放棄した

あの人は人生の続きを失った

この曲はSUGIZOの大切な人が亡くなったことにより作られたものとのこと。上記で引用した歌詞が一番象徴的で、直接的な歌詞である。前作の「SUPER LOVE」とは雰囲気が180度異なり、シリアスである。そして、歌詞はこう続いていく。

  

ねぇ、お願いだから

一つでいいから

生まれた意味を見つけるまで

逃がさないで 殺さないで

輝くカケラを

 

いま生きている人達に向けての、切実で、渾身のメッセージという感じ。(※個人的な話。ふいにこの歌詞を見て「自分の生まれた意味はなんだろう」と考えてしまう。仕事があって、家庭があって、すでに結構手一杯であるが、さらにこれからの人生において自分は何を成し遂げる事ができるのだろうか。。。成し遂げられないとしても、これからも人生に挑戦し続けたいと思う。欲張りだとも思うが、自分なりに力を注いで、自分らしい軌跡を残していく事が生きる意味、かな。)

 

傷つくためじゃなくて

戦うためじゃなくて

憎みあうためじゃなくて

愛し合えれば

Dear LIFE 輝いて 輝いて

 

大サビの歌詞は、SUGIZO節全開の切実なメッセージそのままである。PVにもそれが表れているように思う。

 

PVについて


Sugizo Dear Life (ENG SUB)

 

政治や社会問題に積極的に関与するSUGIZOらしいものになっている。2002年の頃にはすでに自分の生きる意味を見つけ出して歩き出しているのが、このPVを見ても分かる。

 

「音楽に政治を持ち込むな」的な事が言われがちなこの国で「知ってしまった以上、無視はできない」的なことを言い(出典不明)、自分の生命・時間を削り、弱者に目を向けた活動を一貫して続ける姿は本当に尊い。圧倒的な才能で音楽だけを純粋にやることも出来るのに、世の中の問題と常に向き合い、自分のできる事を続けている。マジでカッコ良すぎる。

 

下記は、パレスチナの難民キャンプで行ったライブに関する記事。

hbol.jp

 

(※またまた個人的な話。私自身、「知ってしまった以上、無視はできない」という言葉には強い影響を受けていると思う。私が、家事や育児を主体的にやろうと思うのは、それが楽しいからというのもあるが、それで思い悩む事を妻一人に背負わせたくない、という理由が大きい。苦しい思いをしている人が近くにいるのに、それを無視して生活するというのは違うだろう。苦しみや悲しみを共有して、自分の資源(主に時間)を分け合う事が『愛』だと思っている。)

  

切なる思いを秘めたスギ様のPV後半の歌唱は、史上最強にエモい。↑ 4:19の渾身のディアライ!を是非聴いて!!

 

 

おまけ

「Dear LIFE」ライブでの歌唱映像

割と最近の弾き語り映像!


SUGIZO :: Dear Life [Thai Sub] // Earth Day Tokyo 2016 [Source: shusei ch3 ]

 

Tosilが歌う「Dear LIFE」

これもまた良き。Toshlの声の持つ説得力は半端ない。SUGIZOのコーラスは天下一品。


Toshi - 2010.02.24 - 赤坂BLITZ - LAST CONCERT - Dear Life in HD

 

シングルverについて

ちなみに、このシングルverは、アルバムver(『CLEAR』収録)より出だしのAメロがスッキリ始まり、曲の解像度が高いと思います。買って損なしです!

Dear Life

Dear Life

 

 

 

 

曽我部恵一『LIVE IN HEAVEN』

予約購入して、忘れた頃にやってくる。

曽我部恵一の『LIVE IN HEAVEN』

 

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全編ラップの作品『ヘブン』の曲のみのライブ模様を収録。

 

hitoribukatsu.hatenablog.com

 

 

 

この企画ライブは終わってから知ったので、行けなかったのは後悔。だけど、このCDが出る事を知って即予約。ティーザー的な動画が半端なくカッコ良かった。

 


LIVE FILE : 曽我部恵一「詩情の人」- 2020年7月14日 / Sokabe Keiichi (Live on the Shijo no hito - 7/14/2020)

 

改めて観たけど、かっけえ。

 

LIVEは生演奏。ボーカルや演奏のテンションは高く、楽曲は自由に羽ばたいて、原曲よりキャッチーな印象。すごい。カッコ良い。

 

そして、まさかのシークレットトラック収録。このサービス精神が嬉しい。素晴らしい。曽我部さんがラップに挑んだ軌跡を多面的に見せてくれるのは、ファンとしてありがたい限り。

 

LIVE IN HEAVEN [ROSE-255] CD

LIVE IN HEAVEN [ROSE-255] CD

  • アーティスト:曽我部恵一
  • 発売日: 2020/10/16
  • メディア: CD
 

 

 

この世で一番美しいものは、思い出である

私の青春は「音楽」だった。

 

高校時代までやっていたバンドが自然消滅し、大学に入った頃からは、既存曲はやらずにセッションをするようになった。学生時代は暇だったこともあり、多い時には週3回くらい友人とスタジオに集まり、音楽で遊んでいた。友人が叩くドラムと合わせるように、ギターを弾きながら、適当な言葉をメロディにのせていく。その場で次々にアイデアが生まれては展開していく様は、実にスリリングな体験で、すぐに夢中になった。事前打ち合わせしていないのに、決めがバシッと決まると最高に気持ちよかった。

 

20代の頃は、この音楽活動さえあれば、自分は何とかなると思っていた。嫌なことがあっても、ギター弾いて声を出せば、それが何かしらの形となって、自分の気持ちを代弁してくれた。自分の心理が、言葉(歌詞)として直接的に表れるときもあれば、メロディーや和音、リズムで体現されることもあった。音楽は言葉よりも雄弁だった。大学院進学に挫折した時も、自分から生まれた音楽にとても勇気付けられたのを覚えている。いや、勇気づけられた、というよりは、自分の不安定な気持ちを確認できたことで安心した、という方が近いかもしれない。この当時の私にとっての音楽は「それで飯を食う」という野望を抱くようなものではなく、自分の深層心理を映して確認する「精神安定」のための役割が大きかった。

 

社会人になって参加人数や回数は減ったものの、週1回、少なくても月1回のセッションは続けてきた。スタジオに行く日は会社を定時で上がり、発泡酒のロング缶(セブンのBREWが定番)3本を買い込み、それを飲みながら2時間、歌ったり、ギター弾いたり、ドラム叩いたりする。友人と「○○(バンド名)っぽいな」とか「やべぇ名曲できたわw」とか身内で自画自賛しながらゲラゲラ笑う。その後に、日高屋でレモンサワー片手にそら豆や豚骨ラーメンを食べながら、延々と音楽談義をして、終電間際になって帰る。20代はこんな日々が唯一の輝ける生きがいだった。

 

スタジオでセッションをするとだいたい10曲くらいできるので、これまで生まれた曲は2000は超える。ある時期からは全て録音しているので、今でもそれ等を聞き返すことがある。大抵は酔っ払いが作った駄曲ではあるが、中には光る曲もあり、この曲のこのメロディは抜群だな、とか、この日の自分は神がかっているな、とか、この曲はアレンジ詰めたら名曲になるな、とか、1人で色々な妄想をこねくり回しては、悦に入っている。そういう時間が好きである。録音しておいて本当に良かった。宝物である。

 

30歳になる頃には、私も友人も家庭を持ったり、仕事が忙しくなったりで、スタジオに入る頻度が季節に1回、半年に1回となった。最近はコロナ禍もあり、スタジオに入ろうとも、飲もうぜ!ともなかなか言いだせず、最後にスタジオに入ってから1年が経とうとしている。

 

そう思うと寂しいが、潮時なのかなとも思う。20代の頃に作った曲を聴くとその時に感じていた気持ちをリアルに思い出し感慨深いのだが、近年のセッションで生まれる曲は聞き返してもあまり感動しないのだ。音楽(セッション)にかける思いが弱まっているだと思う。今の私には家族がいるし、仕事もそれなりに楽しくやれてるし、このブログやTwitterで自己表現も出来ている。音楽にしか拠り所がなかった20代の頃とは違い、今は自分の居場所がある分、セッションで自分の深層を確認する必要性が薄まっているのかな、とか思う。

 

思い返せば、よくあんな重たい機材を持って、雨の中でも自転車に乗って、電車に乗って色んなスタジオに移動していたな。若いからか、バカで、真っすぐだったな。スタジオ後の日高屋打ち上げを含めて、大好きな時間だった。そのための苦労は苦労とも思っていなかった。スタジオに向かう道すがら、今日はどんなセッションになるかと、活舌のトレーニングをしながら、いそいそと歩いていた時を思い出す。なんだか遠い昔の思い出のような気がして来て泣きそうである。思い出は、この世で一番美しいものだ。

 

今はこういう状況なので、スタジオに入って友人と音を出すことはできない。とりあえず、新たな方法を模索して音楽で遊びたいなとは常々思っている。そしてまたいつか、友人とスタジオでセッションをやりたい。やっぱりやりたい。1年に1回でいいからやりたい。ライフワークにしたいと思っている。気の置けない友人とクスクス笑いながら、曲を生み出す喜びは他の何物にも代えがたいのだ。

 

(完全な自分語りポエマーになってしまった。楽しかった)

 

サニーデイ・サービス「雨が降りそう」

結構前にAmazon Musicで購入して

 

そのままになっていた、

 

サニーデイ・サービス「雨が降りそう」

 

を通勤中に聞いた。

 

なんというか、

 

特段甘く美しいメロディを持つわけでもなく、

 

疾走するような激しさを持つわけでもなく、

 

淡々としたミドルテンポの曲。

 

なのに、この感じは何だ。

 

心が掴まれる。揺さぶられる。

 

うまく表現できないけど、

 

曽我部恵一氏の、感情が、生き様が、

 

自分のとても近いところで鳴っている感じ。

 

音像のせいか、詞のせいか、

 

その世界に飲み込まれて、

 

自分ごとのように共鳴してしまう。

 

こんな感覚は、音楽を聴いていて初めてかもしれない。

 


Sunny Day Service - 雨が降りそう【Official Video】

 

くもり空 午後3時 Tokyo

にぎわいでく 色づいた雑踏

咲きほこる花は 哀しい報せ

どうしようもないほど 心にきたぜ

 

oh てきとうに笑って生きてた過去なんてないから

oh いま涙があふれるのとめることもできないから

oh ごまかすための道具も逃げ場所も持ってないから

oh いますぐにここで立ち上がることなんてできないから

 

雨が降りそう

 

※サニーデイ・サービス「雨が降りそう」

 

この歌詞はやばい。

 

これを曽我部氏に歌われてしまうと、

 

こちらとしては言葉がない。

 

感じたことのないほど重み。

 

今にも消えてしまいそうに、

 

揺らいでいる火の中に、

 

確かな生を感じる。

 

新たな一歩を踏み出す「決意表明」というか、

 

喪失に対するある種の「区切り」を

 

示してくれたように思う。

 

下記、リリース時の曽我部氏のコメント。

 

一つの到達点に達した感じがある一言。

 

「2020年の幕開けとともに、サニーデイ・サービスも新たな出発の一歩をこの曲とともに踏み出すつもりです。ぜひ、聴いてくださいね。」

雨が降りそう

雨が降りそう

  • 発売日: 2020/01/16
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

BECK『Jack-Ass』 B面こそガチ⑨

こんにちは。

BeckのB面発掘、第9段『Jack-Ass』です。第10弾まではやりたいっ!

 

シングル『Jack-Ass』 

vimeo.com『Odelay』から5枚目のシングルカットで、1997年8月にリリース。アルバムでは7曲目に収録されており「Novacane」「Where It’s At」という圧倒的個性を持つ2曲に挟まれています。 

「Jack-Ass」は落ち着いたフォークソングです。自分は一歩引いて個性を抑え周りの曲達を立てる繋ぎ曲の印象(前後曲のインパクトが強くて特に意識して聞いてなかった曲)でしたが、改めてじっくり聴くと抜群に良曲ですね。最近Beckを聴きたいときは、この「Jack-Ass」と「Feather In Your Cap」ばかり聴いています。

 

シングルに収録されているバージョンは、ブッチ・ヴィグ(※1)のミックスで、アルバムとはアレンジが違います。上のリンクのPVもこのヴァージョンですね。新アレンジによって、シングル曲っぽく、この1曲で成立するような強度になっていると感じます。イントロからドラムが鳴っていて聞きやすいですし、音もハイファイ(クリア)になっている気がします。アウトロのセッションも再録されていて楽しいですね。以前の私のように、アルバムだけ聞いて「Jack-Ass」を過小評価している人は、このシングルverも是非聞いてほしいです。1曲としてみた場合のクオリティの高さが分かります。

(※1)バンドGarbageのドラマーで、ニルバーナ、スマッシング・パンプキンズ、フー・ファイターズ、グリーン・ディのプロデューサー

 

それではB面、どうぞ。

Jack-Ass(Lowrider mix by Butch Vig)


Beck - Jack Ass - [Lowrider Mix]

 「Jack-Ass」のリミックス。

ファンキーかつリズミカルなんですが、スムースな仕上がりになっていて耳馴染みが良いです。歌のバックトラックのリアレンジが主なので、歌がしっかり聞けるのも良いです。

 

Burro(Mariachi Version)


Burro - Beck

???

B面集『Stray Blues』で初めてこの曲を聴いた時、これがBeckの曲とは思えませんでした。なにか間違って再生されてしまったのかなと、一瞬なにが起こっているのか分からなくなりました。要は、スペイン語で歌われる、マリアッチ(メキシコ音楽)バージョンの「Jack-Ass」です。B面でこんな遊びをするBeckが素敵過ぎてやばい。

 

Strange Invitation


Beck - Strange Invitation

 これもまた「Jack-Ass」の別バージョン。

アコギとストリングスの構成になり、ゆったりと流れていきます。アコギベック愛好家にはたまらない1曲。ボーカルもこれまでのテイクとは違い、色気が増しています。

 

Devils Got My Woman(Skip James cover)


Devil Got My Woman

ブルースのカバー曲。

ブルースのカバーは他にも「Trouble All My Days」等があります。Beckが弾き語るブルースを聴くと、Beckのルーツに対するリスペクトを感じます。結構好きなので、ブルースカバーだけに絞ってアルバム1枚まとめてほしいなと思います。

 

Brother


Brother - Beck

アコギの弾き語り。

エレキギターのフィードバックノイズが演出する背景が渋すぎる。黄昏時に海を眺めながら聞いてしまったら落涙してしまうこと必至。二つ返事で「好きです」と言える一曲。「Feather In Your Cap」の再録と同じころの1995年1月録音。

 

 

まとめ A面の再評価になりました

実質的に「Jack-Ass」の新バージョンが4つも聴ける一枚でした。「Burro」でのマリアッチと「Strange Invitation」のストリングスアレンジは、まったく違った色合いを見せてくれてとても面白かったです。前述の通り「Jack-Ass」については今まで聞き流していましたが、改めて曲の良さを改めて気づけました。こういったレビュー(ブログ)を書いているメリットですね。

 

 Beck記事のまとめです。

hitoribukatsu.hatenablog.com

 

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Jack-ass

Jack-ass

  • アーティスト:BECK ベック
  • 発売日: 1970/02/01
  • メディア: LP Record