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BECK『The New Pollution』 B面こそガチ⑦

こんにちは。

BeckのB面発掘、第7段『The New Pollution』です。「Where It’s At」「Devils Haircut」「The New Pollution」と代表曲が続きます。

 

シングル『The New Pollution』


Beck - The New Pollution

(パチパチパチ)まず、拍手を送らせていただきます。言葉はいらないくらいに最高です。聞いた事ない人は是非ご一聴ください。

出だしからして、こんなにメルヘンアンニュイキッチュコケティッシュで素敵なイントロが他にありますでしょうか(※1)。あったら是非教えていただきたいです!

そんな白昼夢な世界観に、ファンキーかつ軽快なドラム&ベースが流れ込み、その上をゆる〜くギターが滑っていきます。Beckのボーカルも程よく脱力していて、リスナーの高揚をいなします。まったく惚れ惚れする感性です。Beck、そしてダスト・ブラザーズの仕事っぷりに脱帽です。

というか、名盤『Odelay』は1曲目から4曲目までがすさまじいのです。Beckを聞いてみたいという人がいたら、私はまずこの4曲を聞くことをオススメしています。「Devils Haircut」「Hotwax」「God Only Knows」ときて、この「The New Pollution」ですから。こんなマニアックなブログ記事を読んでいらっしゃる方々には、これ等の曲についてはもはや説明不要ですね。久しぶりに聞き返しましたが、本当に素晴らしい。言うなれば、1回表から1番・2番・3番が出塁して、ノーアウトで満塁ホームランをかますラインナップです。私はこれ以上の上位打線を誇るアルバムを知りません。

PVもBeckのポップ感やユーモアが表現されていて好きなPVの一つです。

趣旨とズレてきているので、それではB面どうぞ。

 

Richard's Hairpiece(remix by Aphex Twin)


Beck - Richard's Hairpiece [Remix By Aphex Twin]

「Devils Haircut」のリミックスです。

エイフェックス・ツインが手掛けており、完全にその色に仕上がっています。まあ良くここまで、と思うくらいに曲を切り刻んでいて笑えます。手掛けた人の出汁がしっかり染み出していると嬉しいですね。リミックスの醍醐味です。

本来は前作のシングルに収録予定だったらしいですが、締め切りに間に合わず、本作に収録されたという噂もあります。笑

 

Electric Music And The Summer People


Beck - "Electric Music and The Summer People" (UK Vinyl 45 Issue) 1997

低音のシンセをブイブイいわせて、軽めのスネアドラムがビートを作ります。タイトルが表す陽気さの通り、曲全体がハッピーな空気感をまとっています。Beckの曲でここまでメロディアスでポップスに振り切ったものは珍しい気がします。最初はこの感じがちょっと苦手でしたが、聞いているうちに大好きになっていました。こういう曲は理屈じゃなく、好きになったもん勝ちなとこありますね。エンディングの電子パーカッションのセッションも楽しいですね。

後に別バージョンが発表されますが、それはさらに多幸感に溢れたアレンジになっていて、最高にキャッチーです。

 

The New Pollution(Mario C.& Mickey P.remix)


Beck - The New Pollution [Remix By Mario C. & Mickey P.]

マラカスとタブラ(?)のビートに、スリリングなシタールが響き、強烈なインドを感じます。イントロから、象徴的なサックスが炸裂してかっけぇです。原曲とは雰囲気がまったく違い、これはこれで楽しめます。

 

Lemonade


Beck - Lemonade

歪んだドラムに歪んだボーカル、荒々しいパンクサウンド。ドラム音は歪みすぎて爆発音みたいです。うだるような蒸し暑さの中、全速力で走っているような切迫感、焦燥感があります。「Lemonade」という爽やかなタイトルからは想像ができない息苦しさです。激しいパンクサウンドから一転し、フォークサウンドで休憩するも、なんとなく緊張感が途切れません。極端な緩急、二面性を見せるのはBeckらしい。1994年3月録音。

 

Thunder Peel


Beck - Thunder Peel

Beckの割にはシンプルな編成のロック曲。適度なアホさがあり、ノリも良くて大好きです。一聴して気付きませんでしたが、過去作品の再録なんですね。3ピースバンドでコピーしたら楽しそうです。

 

まとめ 粒ぞろいの5曲

リミックスは2曲とも個性的でした。「Lemonade」や「Thunder Peel」の激し目の曲の個性も光りましたね。どれも聞いていて味わい深い楽しさでした。

 

 日本盤は収録曲が豪華です。

f:id:coffee-and-poem104:20200613215258j:image

The New Polluti

The New Polluti

  • アーティスト:ベック
  • 発売日: 1997/07/24
  • メディア: CD
 

 

これまでのBeck記事のまとめです。

hitoribukatsu.hatenablog.com

 

おまけ Youtubeリンク

「The New Pollution」の印象的なサックスの引用元。Joe Thomasの「Venus」


Joe Thomas - Venus

 

「Thunder Peel」の『Stereopathetic Soulmanure』収録バージョン


Thunder Peel

 

個人的に「Thunder Peel」に似ていると思うNirvanaの「Drain You」


Nirvana Drain You lyrics

 

(※1)ただただ知ってるそれっぽい言葉を並べました。すみません。ちゃんと調べました。適当でしたがニュアンスは伝わっている気がします。笑

メルヘン:空想的・神秘的な内容の短い説話。おとぎばなし。童話。

アンニュイ:退屈。倦怠(けんたい)。

キッチュ:芸術気取りのまがいもの。俗悪なもの。

コケティッシュ:色っぽいさま。男の気をひこうとするさま。