こんにちは。
ノスタルジーが絡み合うBeckのB面発掘プロジェクト、第5段は『Where It's At』です。名盤『Odelay』期に入りました。この時期のB面はというと、リミックスが多く、その合間にアルバム未収録曲がいくつか入っています。シングルをまたいだ収録曲の重複も多くあって、どう整理するか悩ましいところです。幻のシングルボックスの情報をもとにできる限り丁寧に拾っていきたいと思います。
シングル『Where It's At』
Beck - Where It's At (Official Video)
ベックの代表曲の一つであり、グラミー賞の最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。いやはや、近所で遊んでくれてたオモロい兄ちゃんが、いきなり都会の大企業にヘッドハントされて1000万円プレイヤーになってしまったような感覚です。仕方ないですね、もろクソかっけぇ曲ですもの。クールなんだけど気取った感じがなくて、真にCoolすぎます。イントロのオルガンが鳴った瞬間から最高。ビートが入るとさらに最高。それに乗っかるベックのラップも最高。全体的にテンション抑えめなのに、聴いている側はどんどんワクワクしちゃうのは何故。降参。クラップ・ユア・ハンズ!
PVはザ・田舎のアメリカという感じ。程よく気が抜けていて、程よくダサい。イントロで水こぼしながら飲むメガネのおっさんからして意味不明だし、太ったおっさん2人が喧嘩してると思ったら、この上なく爽やかなカップルのキスシーンが出てきたりと、ポップとカオスの振り幅のバランスが絶妙。大好物。
さて、今回のB面曲は全てリミックスです。※「Clock」は日本盤に収録されていますが『Davils Haircut』の方で取り上げます。
Make Out City(remix by Mike Simpson)
「Make Out City」という曲名ですが「Where It's At」のリミックスです。Wikipediaによると、この曲はアナログレコードにのみ収録されていて、CDにはなっていなさそうです。曲のスクラップ&ビルドというよりは、原曲を装飾してパーティ感を増した印象。割と硬派なリミックスです。Freedomというファンクバンドの「Get Up And Dance」という曲からホーンセクションを引用しているようです。
スタジオライブバージョンがYouTubeにありました。初めて見ましたがこれは熱い。当時の熱狂が伝わります。4分半あたりで、Beckがアンプに乗っかって客を煽る。そこから「Make Out City」のホーンが入ってきたり、DJのソロがあったり、Beckがダンスしたり(寝そべったり?)で、会場のテンションはブチ上がっていきます。マイク1本で扇動して、バンドと客と一つになり、最後で爆発する様は圧巻。こりゃ良いもの見たわ。
Where It's At(remix by Mario C.and Mickey P.)
Beck- Where It's At ( Mario C. And Mickey P. remix )--- rare
落ち着いたトーンの木琴(鉄琴?)が印象的に響きます。中盤ののスクラッチノイズがかっこいい。全体として雰囲気が統一されているので聴きやすいです。
Where It's At(remix by John King)
Beck - Where It's At (John King Remix)
不穏なベースラインが曲を引っ張ります。ベースとオクターブ上でユニゾンするシンセの音色がポップなので、何とも表現しにくい独特な雰囲気になっています。
Bounus Beats
Where It's At ( Bonus Beats ) by Beck
出だしは、John Kingのものと同じですね。ビートとエフェクトのかかったボーカルがメイン。原曲感は薄めです。
Where It's At(remix by U.N.K.L.E)
Beck - Where It's At (UNKLE Remix) NBA2K17
低音のシンセと16ビートのドラムが良い感じです。2分半から3分あたりのところで、我々世代にとっては非常に聴きなじみのある「ストリートファイター2」の効果音(パンチ音、キック音、スピニングバードキック、ヨガファイア、どすこい等)が入ります。妙にリズムが良いのでこの部分だけ繰り返し聴いてしまいます。全体で12分半あり、アウトロが長いです。ビートが小気味よいので作業用BGMとして良さそう。『Odelay』のデラックス版にも収録されています。
まとめ Where It's Atは90年代のアンセム
よりどりみどりなリミックスいかがでしたでしょうか。私は普段リミックスを聴かないので新鮮な体験でした。1番の収穫は「Make Out City」のスタジオライブ映像に出会えたことですけどね。
「Where It's At」お気に入りの2006年のアンプラグドセッションです。バンドメンバーのユーモアが溢れ、緩くて楽しい現場です。
下画像はオーストラリア盤。日本盤も持っていたはずなんですが、どこかに行ってしまいました。
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