物好きな皆さん、こんにちは。
BeckのB面発掘プロジェクト、『Loser』『Pay No Mind (Snoozer)』に続く第3段『Beercan』です。一応リリース順に取り上げていて、我ながら偉いですね。
シングル『Beercan』
タイトル曲は1stアルバム『MELLOW GOLD』の中で、最もキャッチーではないでしょうか。聞いているとワクワクしてきます。よくライブで本編の最後の曲としてやっていたイメージです。
B面曲は5曲です。
※タイトル横の★は個人的なお気に入り度です。
「Got No Mind」★★
「Pay No mind」を再アレンジしたもの。『MELLOW GOLD』を発売後、ライブツアーをしているうちにこのバージョンで演奏するようになったそうです。原曲はボブ・ディランのような雰囲気でしたが、アコギではなく、エレキに持ち替えられて、けだるいニルヴァーナのような雰囲気を感じます。原曲も好きですが、ちょっと変わったこっちの質感も好み。2つの違いを楽しむのも良いですね。
ベックはニルヴァーナ好きですよね。デビュー当時は80年代の商業音楽をディスってて、その風潮をニルヴァーナが一変してくれたってインタビューで言っていたような。ニルヴァーナの「ネガティブクリープ」という曲について、彼らはあの曲をギャグでやってるっしょ!みたいな発言があって、前向きで明るいベックらしいな、と思いました。
「Asskiss Powergrudge (Payback! '94)」★★★★★
Beck - Askizz Powergrudge (Payback! '94) (Beercan)
なんなのよ、これ。半ミュートしたギターの音が作り出す不穏な空気感。そこに怪しげな鞭打ち音がベシベシ鳴り響く。この音像バランスは天才の所業だわ。
歌の方は、ボソボソしていて何を言っているのかまったく分かりません。私にかろうじて聞き取れる単語は「asskiss(尻にキス)」と「payback(見返り・仕返し)」ですし、タイトルの「grudge」も"恨み"って意味だそうで、間違いなく良い子には聞かせられない歌詞なのでしょう。雰囲気からして、悪い奴等と地下アジトにこもって、良からぬ謀(はかりごと)を企んでいるに決まっています。からの、2分半過ぎの展開がクソ最高です。敵がアジトに乗り込んできましたね。BECKは2分半から本気出すというのがこの曲でも証明されました。マジすげえわ。こんな曲を書いていたBECKもグラミー賞アーティストになるんだから、世の中って本当に素敵だなって思いませんか?
え、この曲のLIVEバージョンが存在するの?しかも大阪の音源とは。同じ曲か?と思う程度に破茶滅茶ではありますがキャッチーな印象ですね。でも、原曲のストイックな雰囲気の方が個人的には好物です。
Beck - Asskizz Powergrudge (Payback! '94) 1994 Osaka
「Totally Confused」★★★★★
『Loser』にも収録されてましたが、またしても登場です。超名曲。ベック氏としても、何回も収録したくなるくらい好きなんですね。B面集『Stray Blues』でも1曲目だしね。私もこの曲にやられたしね。素晴らしいですね。
「Spanking Room」★★★
ガレージロックっすねえ。Beckと言われなければ分からないかもです。曲のスタートはイケイケハイテンションで体育会系の縦ノリを感じさせますが、1分半で早くも力尽き、後半はダウナーでヘビーなノイズサウンド、ボソボソボーカルの根暗野郎が本領発揮します。だんだん盛り下がって終わっていくのはなかなか斬新で味わい深いです。
やれやれ終わったかと思うと、シークレットトラックのような扱いでLoserのリミックスが始まります。
「Loser(Pseudo-Muzak Version)」★
Loser (Pseudo-Muzak Version) - Beck
まぁ、これはオマケですね。
まとめ 掘り出し物という言葉がピッタリ
それにしても「Asskiss Powergrudge (Payback! '94)」が最高すぎました。これを聞かずに死なないで良かった。今後元気がない時には、この曲を聞いて1人でクスクス笑いたいと思います。
第1弾『Loser』の記事です。
第2弾『Pay No Mind (Snoozer)』の記事です。