こんにちは。
今年のゴールデンウィークは、1990年代のBECKのインタビュー記事を読み漁っていました。beckの作る曲だけでなく彼のアイデンティティも好きです。 BeckのB面発掘プロジェクト、前回の『Loser』に続き、第2弾『Pay No Mind (Snoozer)』です。
シングル『Pay No Mind(Snoozer)』
タイトル曲は、歌詞はろくでもないですが、ボブ・ディランのような良曲ですね。最近ベックを聞き直している中で、また好きになりました。(この曲のPVの最初の方で、火山が噴火している映像が意味不明で結構ツボです)
B面曲は3曲です。Wikipediaを見て知りましたが、『Golden Feelings』というインディーズ時代のアルバムに3曲とも原曲が収録されているんですね。Youtubeのリンクもおそらく『Golden Feelimg』収録バージョンです。 ※下の★は個人的なお気に入り度です。
「Special People」★★★★
なにこれ。。最初聴いたときは脳内にどデカい「?」が浮かびますが、数回聴いているうちに、Beckが自分に問い掛けてくるような気がしてきます。
聴けば分かりますが、ほぼ同じ音声フレーズ(スペーシャピーポー ホニャララ)がステレオで淡々と繰り返されます。それだけ。それだけなの。 普通はさ、アイデア思いついたらそこから膨らませて、アレンジを詰めていくと思うんですよ。例えば、リズムを入れたり、伴奏入れたり、ノイズを入れたり。それ等は簡単にできただろうし、その方が曲として成立させられたと思うのよ。でも、あえてこの曲はこれだけの形で完結させた、のでしょう。「もうこれで終わり」と。
余計に足さなかったからこそ、アイデアの瑞々しい新鮮さを感じます。料理すれば美味しく食べられるけど、泥が付いたまま齧りついても、それはそれで素材の旨みや苦味を味わえるってことです。「どこまで洗練させて見せるか」という点を考えるのも表現の面白いところ。
この曲はアート的に感じるんですが、小難しくなくて良いです。音楽で変拍子とか変調とかを駆使して「これがアートだ」とか言われてもね。もちろんそれで素晴らしい作品もありますが、分かりにくくて分からないものは苦手です。この曲のように分かりやすく分からないものだからこそ、シンプルに「?」と向き合いやすく、なにか感化されるものがあるのかなと思います。
「Trouble All My Days」★★★
濃厚なブルース。べろんべろんに歪んだアコースティックギターが響きます。ここまで歪んだ音でギターを弾くのは逆に難しそうです。Beckのしゃがれたボーカルが映えますね。ギターと歌だけというシンプルなスタイルで、ラップやノイズを身に着ける前のBeckのルーツが垣間見れます。これも癖になる一曲。この曲がイケる人は『One Foot In The Grave』をオススメします。
「Super Golden (Sunchild)」★★★
Super Golden Black Sunchild - Beck
なにこれ(2回目)。。イントロからして最高です。「ほげほげほげ・・・」テープの逆再生ですかね。。こういうイントロの悪ふざけは、ベックのセンスを存分に感じると同時に、ちょっとおちゃらけて、照れ隠ししてるのかな、という気もしますね。
「ほげほげほげ」は適度なタイミングでブツ切りにされ、そこから、トレモロがかかったようなアコギと歌。サイケデリックなフォーク?という感じ。最初は今一つな印象でしたが、これも繰り返し聞いてくると悪くないなと。。
※Youtubeのリンク(『Golden Feelings』バージョン)では、上で書いたイントロの部分はありません。すみません。『Pay No Mind』のオリジナルバージョンでしか「ほげほげほげ」は聞けないようです。
まとめ 個性際立つ3曲!
『Pay No Mind』のB面3曲はめちゃくちゃでしたね。ベックのアート的な側面や彼のルーツとなる音楽に触れることができました。最高です。出会えて良かった。『Pay No Mind』収録のバージョンはyoutubeにもアップされていませんので、このシングルはマストバイですね!!
『Golden Feelings』がYouTubeにアルバム全曲アップされているのを見つけたので、あとで楽しもう。ファンとしては盤も買いたいところですけど、なかなか手に入らないだろうな。
『ペイ・ノー・マインド』日本盤をゲットしました。
前回『Loser』のときの記事です。
次回『Beercan』の記事です。