こんにちは。
今日は好きな曲、Neil Youngの4枚目のアルバム「Harvest」(1972年)に収録された、彼の代表曲作のひとつ「Heart of Gold」について。ニールヤングの好きな曲はたくさんありますが、特にこの曲の歌詞にとても共感します。
一番の歌詞です。自分なりに意訳もしてみました。
I want to live, I want to give
I've been a miner for a heart of gold
It's these expressions I never give
That keep me searching for a heart of gold and I'm getting old(意訳)私は生きたい。私はささげたい。私は輝く心を探し続けている。いまだ表現することができない様々な思いが私に輝く心を探し求め続けさせる。そうして、歳をとっていく。
これ、めちゃくちゃかっこ良くないですか。
2行目を直訳すると、自分は輝く心(a heart of gold)の坑夫(a miner)だと表現しています。
初めてこの詩を読んだときに「人生ってそういうものかも」とすごく腹落ちしたのを覚えています。
自分にとっての「輝く心」は何なのか。
輝く心を見つけ出すのは、誰にも頼れない孤独な戦いだと思います。黙々と自問自答を繰り返し、少しづつ余計なものを取り払っていって、唯一つの、自分だけの黄金を見つけていく。確かにその姿勢は“坑夫”という表現がしっくりきます。
私も社会人を10年程度やってこのままで人生いいのかな、と以前にも増して思うようになりました。ありがたいことに現状に大きな不満があるわけではないです。仕事もそこそこ楽しいし、守りたい大切な家族もいます。
それにも関わらず、まだ何か違う、まだ足りないと感じてしまう。これは一体何なのかと言えば、よりよく生きたい、という本能的な渇望なのかなと思います。
自分にとって、輝く心とは何なのか、よりよく生きるとは何なのか、なんとなくわかっているつもりですが、まだまだ深掘りが必要です。やっとの思いで、これだ!と思える「輝く心」を見つけられたとしても、明日には錆びついているかもしれない。
そうやって輝く心を探し求めて、私たちはだんだん歳をとっていくのでしょう。それは悲観的なものじゃなくて、そうやって探し求めていく道筋が生きていくことだとニールヤングが教えてくれてるように思います。
・・・そんな諸行無常な思いも、ニールヤングの声とアコギ、ハーモニカの音色が、儚さをはらんでじんわりと体に染み込んでくるのです。本当に最高です。
Neil Young - Heart Of Gold - Live Concert At Massey Hall for BBC 1971
話は少しそれますが、The Theの「Soul Mining(魂の彫刻)」というタイトルも「Heart of Gold」同様のニュアンス(自分の美しさを探し求める的な意味合い)を感じて好きです。
The The Soul Mining (Full Album)
スガシカオの「黄金の月」もそれに近いと思います。理想や憧れが手に入らない儚さが、ナルシズムを刺激してたまらないです。20代の社会人になった頃、聴きまくりました。